1180)
の続きです。
年代順としては、ここで一時さかのぼることになります。(掲載順は、後に順番を時系列順に直しますので、直したあとの記事番号をふりなおしておきます)
S61年のダイヤ改正については、S61.3改正を 1180)の記事で、S61.11改正およびS62年夏ダイヤを 1182)の記事で取り上げました。
そのときには、S61年夏ダイヤでは 前後の年とは(わかしお・さざなみに関しては)あまり変化がないので、スルーでいいだろうと思ったのですが、大事な記録を忘れちゃならない、と思い直して記事を挿入(新No.1181)として)することにしました。
それは、このS61年3月に改造が竣工し、運用を始めた和風電車「なのはな」についてです。「わかしお」「さざなみ」とは離れますが どうぞお付き合いください。
他の管理局では客車が多かった団臨用のお座敷および欧風客車列車ですが、千葉ではほとんどの線区が電化されており、さらに集客のために 管内の利用客が多いと思われる秋葉原~千葉間の最寄りの駅(総武線各停のみ停車の駅も含む)に停車して利用してもらうことを考慮すると、機関車不要の電車が適当、ということで、余りつつあった165系を改造した和風電車が登場しました。改造は大井工場(OY)です。
1号車 クロ165-1 (旧クハ165-199)
2号車 モロ164-801 (旧モハ164-857)
3号車 クモロ165-1 (旧クモハ165-134)
寿号車 クロ165-2 (旧クハ165-193)
5号車 モロ164-802 (旧モハ164-851)
6号車 クモロ165-2 (旧クモハ165-128)
1~3号車はS1編成、4~6号車はS2編成。
各号車の愛称は、1号車から順に、すみれ、あやめ、きんせんか、すいせん、あじさい、ゆり、となり、公募で決まった「なのはな」という編成愛称名とともに花いっぱいです(菜の花は千葉県の県花)。
S61年の春から7月までは団臨に使用されましたが、夏ダイヤになると、なんと、房総への多客臨に運用されました。全車グリーン車指定席です。指定席券を買えば 誰でも一人から乗車できました。
両国から、内房線を千倉へは「なのはな1・2号」、外房線を安房鴨川へは「なのはな3・4号」です。
夏ダイヤでの臨時急行 9101M「なのはな1号」
S61(1986).8.13 13:11 9101M 九重~千倉
クモロ165-2 モロ164-802 クロ165-2(以上S2編成)+Msc-1 Ms'-801 Tsc-1(以上S1編成)←両国方
見た目は団臨とかわりません。それまで団臨で何度か撮っていて、今度は前面のマークがわかるように前からねらいました。たしかこのあたりでも撮影者が10人くらいは居たと思います。
運転日は、外房線の3・4号が夏ダイヤ(S61.7.19~8.17の30日間)の全部の日曜運転(計5日)、内房線の1・2号が夏季期間中の土曜と平日の運転(ただし、7月22・23日のみは運休、のべ23日運転)で、けっこうハード。
では、S61年の夏ダイヤの全ページです。
順に、内房線-1、-2、-3、そして外房線-1、-2、-3。
内房線の増発特急は、
9011Mさざなみ51号 東京7:50→9:54館山 (日曜運転)
9013Mさざなみ71号 両国8:29→10:43千倉(日曜運転のさざなみ5号が走らない日に運転)
9015Mさざなみ53号 東京11:03→13:18館山(毎日運転)
そのほか、通常は土休日運転の13号(東京12:30発)と休日中心で運転の17号(東京14:30発)を毎日運転。
9012Mさざなみ52号 館山10:38→12:48東京(日曜運転、51号の折返し)
9014Mさざなみ54号 館山15:18→17:29東京(日曜運転、53号の折返し)
9016Mさざなみ72号 館山15:18→17:30両国(日曜運休)---54号と同じ列車の終着駅変更です。
そのほか、通常は日曜中心の10号〈千倉11:51発)、22号(館山18:10発)と土休日運転の18号(館山16:05発)を毎日運転に。
内房線の急行・快速は、
9101Mなのはな1号 両国10:08→13:15千倉(日曜以外を中心に23日間運転)
9121M青い海1号 両国7:44→10:27館山(日曜運休)--165系9連
669F 青い海3号 横須賀6:26→東京7:44→10:46館山(日曜運転)
9839F 青い海5号 東京8:42→11:52館山(日曜運転)--遅いですが、上総湊で14分停車(特急待避)などあり
809F 青い海7号 横須賀8:04→東京9:24→12:12館山(日曜運休)
同、上りでは、
9102Mなのはな2号 千倉16:14→19:07 錦糸町(日曜以外を中心に23日間運転)
9122M青い海2号 館山14:16→17:02両国(日曜運休)--165系9連
1668F 青い海4号 館山14:16→17:17東京(日曜運転)
1872F 青い海6号 館山15:48→18:34東京→20:04久里浜(日曜運転)
1824F 青い海8号 館山16:10→18:53東京(毎日運転、日曜は1820F)
「なのはな2号」・「なのはな4号」はともに前代未聞の錦糸町行きでした。2号は錦糸町19:07着、4号は同18:19着です。
錦糸町行きというのは初登場だし、その後もありません。
錦糸町の電留線に取り込むには上り本線上で折り返さなくてはならず、それは無いと思われます。おそらく、両国19:18発、19:49発、20:37発、両国17:19着、18:19着、19:41着の定期「あやめ」「しおさい」「すいごう」があって、両国駅のホームが満杯。両国のホームに面していない側線に錦糸町から回送とするため、乗客を錦糸町で降ろす必要があったものと思われます。
13:15に千倉2番線に到着した 9101Mなのはな1号
S1編成、クロ165-1
じきに、九重側から転線開始して側線に入ってゆきます。
左=3号車、右=寿号車(4号車)
左:2号車 モロ164-801 (旧モハ164-857)
右:3号車 クモロ165-1 (旧クモハ165-134)
以下、外房線(夏)-1、-2、-3。
外房線は「なのはな3・4号」です。
運転日は、こちらは日曜のみで、夏季ダイヤ中に5日間のみの運転。
S61(1986).8.17 12:58 9201M なのはな3号
S2+S1(両国方)編成、こちら側6号車はクモロ165-2。
夏ダイヤ最終日の日曜です。
S61.8.17 9201Mは 13:00に安房鴨川の3番に到着。
右隅の1番:12:14着わかしお7号➡折り返し13:21発わかしお14号
左隅の6番:10:02着9021Mわかしお51号➡折り返し16:58発の9024Mわかしお52号
⑤はマリ73で 728M 安房鴨川15:19発→16:01館山
④はマリ74で 274M 安房鴨川16:46発→19:09千葉
②は13:00発の264Mが発車したばかりですが、このすぐあと13:13に ②には27Mわかしお9号が到着します。また満線に。
内房線千葉発149Mが13:19に到着する前には3番線を空けなくてはなりません。側線もいっぱいなので、安房小湊か勝浦へ回送されたものと思われます。
外房線の増発特急をまとめます。
9021Mわかしお51号 東京7:35→10:02安房鴨川(日曜運転)
9023Mわかしお53号 大船7:03→10:17安房鴨川(日曜以外の運転)--日曜は東京8:00発の7021M 3号を運転
9025Mわかしお55号 東京13:03→14:55勝浦(日曜運転)--東京13:00発の29Mわかしお13号の3分続行運転です。
上りでは、
9022Mわかしお72号 勝浦15:20→17:01両国(日曜運転)
9024Mわかしお52号 安房鴨川16:58→19:17東京(日曜運転)
実質日曜に2往復の増発ですが、土休日運転の11号(東京12:00発)と18号(安房鴨川15:21発)、そして休日中心に運転の季節列車3号(東京8:00発)15号(東京14:00発)、10号(安房鴨川11:18発)22号(安房鴨川17:22発)を全て毎日運転に。
<急行>
9201M なのはな3号 両国10:08→13:00安房鴨川(日曜運転=期間中に5日)
9202M なのはな4号 安房鴨川15:35→18:19錦糸町(日曜運転=期間中に5日)
茂原で257M・33Mわかしお19号の2本交換待ち、市川で4分の運転停車でしおさい12号通過待ちなどあり、所要時間がかかる。
<快速>
9552M~9251M 鴨川ビーチ 八王子6:05→新宿6:50→10:02安房鴨川(月~金運転で、最後は8月7日(木)までの13日間運転)
9221M 白い砂1号 東京6:39→8:54勝浦(日曜運転)---列車番号は、G車付き、一ノ宮で後部4両解放で113’系のはずなのに、なぜか 9221Mとなっています。
9883F 白い砂3号 久里浜6:33→10:47安房鴨川(毎日運転、日曜は久里浜6:38発683F)
719F 白い砂5号 大船7:55→11:17勝浦(毎日運転、日曜は横須賀7:33発755F)
1205F 白い砂7号 逗子12:02→15:32勝浦(日曜運転、平日は大原止まりの快速)
上りでは、
9252M~新宿から9553M 鴨川ビーチ 安房鴨川13:30→16:38新宿→17:28八王子(月~金運転で、最後は8月7日(木)までの13日間運転)
1118F 白い砂2号 勝浦11:32→14:48逗子(毎日運転、5号の折返し)
9222M 白い砂4号 勝浦14:17→16:28東京(日曜運転、1号の折返し)、勝浦→錦糸町間は9252M鴨川ビーチ が日曜は走らないので、そのスジと同じ。それゆえ記号「F」でなく9222Mなのか。車両は113’系で上総一ノ宮から15両。
1604F 白い砂6号 勝浦16:00→19:49逗子(日曜運転、7号の折返し、平日は大原発の快速)
9658F 白い砂8号 安房鴨川16:30→19:34東京(3号の折返し、毎日運転、日曜は9682F)
快速合計で、平日3往復、日曜4往復です。8月8日以降の平日は、「鴨川ビーチ」が無くなるぶん、平日は1往復減ります。
↑S61(1986).8.10(日) 15:38
9202M「なのはな4号」日曜運転
錦糸町行きです。18:19着。
松原海岸の松林やリゾートホテルホテルがバックに写る好きな地点でしたが、今では住宅が増えてダメダメです。ふう(タメイキsigh)。
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さらに、S61年は夏ダイヤが終わった後の1週間に限って、6連の「なのはな」を千葉駅で3+3両に分割し、前の3両を千倉へ、後ろの3両を安房鴨川へ、という、分割運転が行われました。DC循環急行「そとうみ」「うちうみ」以来の分割(上りは併合)運転です。
これが毎年行われればいいのに、などど思いましたが、一年 しかも たった7日間(8月18(月)~24日(日))のみの出来事でした。(もっと撮っておけば良かった)
↑S61.8.24 15:39 9202Mなのはな4号 3連
安房鴨川~安房天津で。
S61年夏ダイヤが終わったあと、8月24日の日曜までの7日間は、このように3連で両方向へ運転された165系「なのはな」。
その時刻表です↓
順に、外房線-1、-3、内房線-2、-3。「なのはな」の掲載ページのみ載せます。
S61.7.18(金)までと 8.18(月)からの時刻表です。
9201M なのはな3号 両国9:22→9:58千葉10:02→11:57安房鴨川
9101M なのはな1号 は千葉まで9201の後部に併結、千葉で分割、10:11発→12:15千倉着。
上り併合の場面。
「~に併結」とあるのは 外房線からの4号、「~を併結」とあるのが 内房線からの2号です。「~を併結」となっている内房線からの2号が先頭にたち、併結後の列番は9102M。下りでは「~を併結」となっているのは外房行きの3号で、両国→千葉の列番は9201Mです。
9102Mは千倉→両国間が3時間9分もかかります。館山~千葉が1時間56分もかかり、普電なみだし、千葉での20分停車が痛いですね。これは外房線からの「なのはな4号」を待つ以外にも、7004Mさざなみ18号を先に発車させるのもあります。
休日には千葉を17:20に発車する始発快速1780Fがあり、うまく乗り継げば錦糸町に17:54に着き、15分も先行できます。さらに全日で千葉17:26発の外房線大原からの快速久里浜行きもあります。まあ、グリーン券を持った客を疎外していること!
参照➡112) の記事、110) の記事