1160) の続きです。
S49年7月、房総一周電化3年目の夏ダイヤをむかえました。
前年の夏ダイヤからの1年のあいだに、東金線・成田線(成田~我孫子)電化がS48年10月にあり、両線には72系・113系の進出、キハの全面撤退という変化がありました。
S50年3月の北総3線(総武本線佐倉以東・成田線・鹿島線)電化開業を前に、電化で新設される新しい特急用の183系9連が増備されました。昨年と同様、前倒しで新製投入され、マリ19(最終編成)までの183系9連が房総夏ダイヤに間に合うように幕張に配置されました。
←銚子・安房鴨川方 東京・新宿方→
Tc--M--M'--M-M'--M--M'--Ts--Tc
27-53-53-54-54-40-40--14-28 (未完成の第14編成に4両挿入して完成)
31-44-44-45-45-46-46--16-32 (第16編成)
33-47-47-48-48-49-49--17-34 (第17編成)
35-50-50-51-51-52-52--18-36 (第18編成)
37-55-55-56-56-57-57--19-38 (第19編成)
予備車だった5両(青字の5両)に MM'-53、MM'-54の4両が挿入され、マリ14が完成。マリ19こそナンバーが当初の順のまま進番した状態にそろっていますが、マリ12~マリ18 は MM' 番号の乱れが残りました。
また、事故廃車となったクハ183-17(第9編成の9号車)の代わりに クハ183-39 が第9編成の9号車に組み込まれました。北総電化に向けて準備万端です。
新9編成(もと第9編成のクハ183-17が事故廃車)に代替えのクハ183-39 が組み込まれる前には、新製されたばかりのクハ183-39 は第14編成の9号車に一時的に組み込まれていました。
この日はS50年の春闘(合理化反対の順法闘争)により 終日ストライキで動いてなかった日。
S49(1974)年夏ダイヤの本数です。オイルショック後 初の夏ダイヤで、影響が見られます。
わかしお 下り1~9号(2・6号は欠)+52号(夜間)の計8本(期間中は毎日運転)
わかしお 上り1~7号(8号は運休) +52号(夜間)の計8本(期間中は毎日運転)
さざなみ 下り1~8号(2号は運休)+51号の計8本(期間中は毎日運転)
さざなみ 上り1~7号(8号は運休)+51号の計8本(期間中は毎日運転)
みさき 外房下り 1~4号 の定期列車のみ
なぎさ 外房上り 1~4号 の定期列車のみ
なぎさ 内房下り 1~4号 の定期列車のみ
みさき 内房上り 1~4号 の定期列車のみ
白い砂 下り1~9号の計9本(7・8号は勝浦止まり、5号は日曜運転、全て東京発着の113’系モノクラス11連)
白い砂 上り1~9号の計9本(7・8号は勝浦始発、3号は日曜運転、全て東京発着の113’系モノクラス11連)
青い海 下り1~15号の計15本(1・4・8・11号は千倉行、1・4号は日曜運転、全て東京発着の113’系モノクラス11連)
青い海 上り1~12号の計12本(3・5・6・10・11号は千倉始発、5・11号は日曜運転、全て東京発着の113’系モノクラス11連)
前年(S48年)からの変化として、
① わかしお・さざなみとも10往復(21日間の指定日運転を含む)から 8往復へ、2往復減。
② 急行「みさき」「なぎさ」は、113’系G車付きの臨時列車(みさき2往復・なぎさ1.5往復)が消滅(臨時「なぎさ」外房上り1本は昨年「白い砂」だった)定期の4周のみに。2往復減(外房上りは1本減)。
③ 「白い砂」は下り2本、上り1本増加。ただし113’系G車付き10連は消滅し、全て東京発着モノクラス11連に。
④ 「青い海」は下り・上りとも2本増加。ただし113’系G車付き10連は消滅し、全て東京発着モノクラス11連に。
ざっというと、特急・急行が外房・内房とも各2往復減って、減少分の半分の快速が増加した、ということです。
また、車種・編成ともに単純化され面白味が少なくなりました。
では、S49年の夏ダイヤ全ページです。(時刻表S49年7月号から)
期間はご覧の通り、1974(S49).7.13~8.18です。
曜日は前年S48、前々年S47 と同じですが、カレンダーの都合で日付は毎年1日ずつ繰り上がっています。
記入した数字は113系11連の運用番号。黒=平日運用、赤茶=休日運用。黒字だけのものは平・休とも同一です。
千鉄(千葉駅のすぐ南西側にあった)を訪問して運用ダイヤから書き出したものです。(その節はありがとうございました)
おや、夏季ダイヤ期間内でも普通列車の列車番号は通常のままです。とはいっても、各駅の時刻が全く変わってないわけではありません。
S47年・S48年は、夏季ダイヤでは普通列車は全面的に9000番台に変わっていました。急行「なぎさ」「みさき」の普通列車区間(館山~勝浦)も同様に9000番台になりましたが、S49年はいずれも通常期のままとなっています。
快速「青い海」「白い砂」とその他の直通快速は、前年までと同様に8000番台に変化したものと 今年は9000番台になったものもあります。運転日はみな毎日運転ですが、9000番台の方が多いです(例=下り青い海5号は8131M、10分後に東京駅を発車する「青い海6号」は9133Mなど。それ以降も混在しています)
特急、急行はもともと、定期列車に関しては 夏季でも通常期と同じ列番を使用していました。
↑ 記入した運用番号でわかりますが、下りの「青い海」のうち、館山19:20着の8145M青い海12号 まではそのまま上りに折り返します。そのあと、館山には3本の「青い海」が毎日到着しますが、その後は以下の通り。
館山20:15着 8147M青い海13号➡回送で幕張へ
館山21:32着 8149M青い海14号➡翌朝の普通124Mで千葉→回→幕張へ
館山22:19着 8151M青い海1号➡回送で木更津へ➡翌朝の木更津6:51発の定期快速8124Mで東京へ
上に書いたように、館山発普通124M(館山→千葉→回で幕張)は前夜の 8149M青い海14号 の折返し。
快速「青い海」「白い砂」にはそれぞれ列番8000番台と9000番台がありますが、
8000番台=通常期に木更津・君津・上総一ノ宮・大原まで入っていた定期快速を館山・千倉・安房鴨川・勝浦へ延長したもの。9000番台=通常期に津田沼までの快速を延長したか、新規に東京駅から設定したもの、のようです。
わかしお・さざなみの夏季増発分(各1往復)ですが、運用所要数が増えているわけなく、以下のようになっています。
9037Mわかしお52号 東京19:47→21:57安房鴨川
9034Mわかしお52号 安房鴨川19:54→22:08東京
・・・この上下2本は、9034Mは 安房鴨川19:15着の5029Mわかしお8号の折り返し、9037Mは東京19:19着のわかしお6号の折返し、つまり上り方、下り方とも停泊に入る編成を上下で入れ替える形でたすき掛けに運用。
9012Mさざなみ51号 館山11:11→13:08東京
9011Mさざなみ51号 東京13:52→15:59千倉
・・・この上下2本は、新宿7:42 6011Mさざなみ1号→10:03千倉→回→館山→回→千倉16:27発 6012Mさざなみ5号→18:41東京、と続く運用の途中に一山(東京1往復)を挿入したものです。
(以下、続きます)